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クッシング症候群について

クッシング症候群とはどんな病気か、そして治療と回復はどうなるのか、 非常に簡単ではありますが、まとめてみました。

(注意事項)
医学の知識のないものが今まであちらこちらで聞きかじったことを簡単にまとめたものなので、 重大な間違いがある可能性があり、以下の文章の内容に責任を持つことができません。 必ず医師・医療の専門家に確認の上、自己責任でお願い致します。 また誤りを見つけて下さった場合には、お知らせ下さいますようお願い致します。

また内容に不安があるため、複製・転載はご遠慮ください。

(文責:うみがめ)

1.クッシング症候群とは?

副腎皮質から分泌されるホルモン「コルチゾール」の血中値が長期間に渡り、 過剰な状態になることから生じる疾患を総称して、「クッシング症候群」と言います。

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患者数のとても少ない疾患ですので、あなたがクッシング症候群になる確率は とても低いと言えますが、もしもクッシング症候群であった場合には、 残念ながら、生命に関わる深刻な疾患でもありますので、必ず治療を受けましょう

2.クッシング症候群の原因は?

(主な原因)

1.下垂体腺腫由来
   (特にこの場合を「クッシング病」と言います。)

脳下垂体に下垂体前葉ホルモンの一つ:ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を産生する腺腫 (ホルモンを産生する腫瘍)が生じたために、体内の必要量と関係なく腺腫がACTHを 生産し、ACTH過剰となる。
その過剰なACTHに刺激された副腎の副腎皮質ホルモンの1つ:コルチゾールが体内の必要量 と関係なく過剰に生産される為に、血中コルチゾールが常に高値となる場合。

2.副腎(皮質)腺腫由来

副腎にコルチゾールを産生する腺腫が生じた為に、体内の必要量と関係なく、腺腫が コルチゾールを過剰に生産し、その為に血中のコルチゾール値が常に高値となる場合。

3.異所性ACTH産生腫瘍由来

肺など、他の場所に生じたACTH産生腫瘍から、ACTHが過剰生産される ために血中コルチゾール値が常に高値となる場合。

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その他には・・
常に高値ではなく、周期的にコルチゾールの分泌が亢進する場合を特に「周期性」クッシングと言う。 他の疾患の治療の為のステロイド大量投与によりコルチゾールが過剰になり、クッシング症状を 表す場合、「医原性」クッシングと呼ばれることもある。 「多発性内分泌腫瘍(MEN1)」の症状の一つとして、クッシングが現れる場合がある。 また、最近、副腎にコルチゾールを分泌する腫瘍がみつかりながらも、明らかなクッシングの 症状が現れないタイプの「プレクリニカルクッシング症候群」が注目されているようである。

3.クッシング症候群の主な症状

満月様顔貌(ムーンフェイス):特徴的な丸顔になる
水牛肩(バッファローハンプ):肩に盛り上がるように脂肪がつく
中心性肥満:体幹部が太るが、手足の先はやせている
赤色顔貌:赤ら顔
皮膚萎縮:皮膚が薄くなる
皮膚線条:妊娠線様の紫色の筋ができる
易出血性:内出血しやすくなる
座瘡(にきび):赤いにきび、すぐに化膿する
筋力低下:筋肉がつきにくくなる、または弱る
成長障害:小児の場合、成長が止まる
高血圧
心不全
浮腫:むくみ
耐糖能異常:糖尿病・高血糖
多尿
多飲:喉が乾く(冷たい物が飲みたくなる)
骨粗しょう症:膝や関節の痛み・骨折
腎結石、尿路結石
易感染性:感染しやすくなる
うつ状態:気分が沈む
精神障害・気分障害
多毛症:体毛などが毛深くなる
脱毛:髪の毛が抜ける
月経異常:月経不順、無月経
色素沈着

など、他いろいろ。。。
全身にさまざまな症状が現れますが、全ての症状が出るわけでもなく、 その症状の現れ方や程度は人によりさまざまです。

クッシング症候群は生命に関わる深刻な疾患ですので、コルチゾールを下げる治療が必ず必要です。 また逆に治療を行えば、治療可能な疾患です。
もしも、疑われたら内分泌の専門医にかかり、 必ず検査を受けて、診断・治療を受けましょう。

4.クッシング症候群の診断

ホルモンの負荷検査(血液検査)と尿検査、そしてMRIやCTでの腫瘍の画像診断、 場合により静脈サンプリングなどの多くの検査結果から総合的に診断されます。
正式な診断には、1〜2週間程度の検査入院が必要なようです。

5.クッシング症候群の治療

血中コルチゾール値を下げることがまず最優先となります。 その為に主に次の方法があります。

第1選択)外科手術

腫瘍を外科的に取り除く方法です。一回で全て取り切れなかった場合には、 再手術をする場合もあります。
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下垂体腺腫の手術は、特に技術と熟練の必要な手術です。 下垂体の手術数が多い下垂体専門脳外科医の元で、手術を受けることをおすすめします。

第2選択)放射線治療

外科手術が不可能な場合、または不成功だった場合には、放射線治療があります。 ガンマナイフ、リニアックなどがあります。 治療の効果が確認できるまでに、時間がかかるようです。

その他に、薬物治療などもあります。

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それぞれの個人の原因と状態によって、治療法の選択が変わります。 専門の医師とよく相談し、時にはセカンドオピニオンを受けて、 よく検討の上、治療を選択していきましょう。

6.治療後の回復

コルチゾールを下げる為の治療を受けると、逆にコルチゾールが不足するようになります。 しかし、コルチゾールは生命維持に必須のホルモンですので、不足している分は回復するまでの間、 副腎皮質ホルモン剤(ステロイド薬)を飲んで補充する必要があります。 (治療法、状態によっては、一生お薬を飲む必要がある場合もあります。)

体内のコルチゾール生産能を少しづつ回復させながら、内服するステロイド薬を減らしていきます。 このステロイド薬からの離脱には、一般的に9〜36ヶ月かかると言われているそうです。

ステロイド薬を離脱ができるまでが、なかなか大変ではありますが、ステロイド薬からの 離脱が完治への道となるそうです。 忍耐と時間が必要なのがとても辛い所でもありますが、あせらずに気長にお付き合いしていきましょう。
変更履歴

2003/5/26 公開
2004/9/25 主な症状に、座瘡を追加しました。
2004/11/02 細かい点をいくつか修正しました。
2005/9/10 さらに細かい点をいくつか修正しました。


最終更新日(2005.9.10)


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